このジャケットは、農作業で履いていた「たつけ」と呼ばれる細身のパンツを前身頃に使用しています。
両サイドの布を開いて、2枚の布としました。左右の身頃巾としてサイズがぴったり合いました。
オリジナルのまま、全ての箇所をこれ以上ほつけないように藍染めの木綿糸を使い、返し縫いを致しました。
後ろ身頃と袖は時代が合う藍染め布を使用しています。
およそ100年以上前の布と思われます。
一枚の木綿布を手に入れる余裕が無い人々が、手元にある小さな端切れを重ねて補強し、また破れると、その上から布を当てて補修する。この涙ぐましい補修の技を、私は「美」として蘇らせ、皆様にご覧頂きたいと思っています。