今日、BSで蠢動という映画を観ました。
以前から気になっていた作品でした。
終日 雨の午後、ゆっくり観る事が出来ました。
ほとんどモノクロに近い映像の中、打ち鳴らす太鼓の音がひときわ登場人物の青年達の忿怒の鼓動とマッチングしているように感じながら、観ていました。
あらすじ等はPCの画面上で読み取れます。気になった方は是非覗いてみては・・・・
古布が好きな私は一番最初に青年武士が着ていた着物に目がとまりました。
ほとんどの衣装は藍染め無地木綿の着物、袴のようでした。
一番印象的なのは、第二の主人公?が城へ赴く際に着ていた裃も厚い藍染め木綿で作られていて、下級武士としての体裁をよく現しているものでと感心しました。
城代家老が藩を守りたい一心で画策した事で前途ある青年達が無駄死していく様は、理不尽で忿怒以外、言葉が見つからない。
よくよく考えてみると、明治に入り武家は廃止されましたが、日本の歴史の中では長きに渡り武家社会が中心の世の中でした。刀は実際に使われる事はほとんど無かったと聞いていますが、やはり根幹をなす象徴ではあったと思います。
その事は文明開化後も民衆を統治する一部の人間の中には潜在的に受け継がれていた。
第2次大戦終結までの軍部は、その象徴のように思われます。
ちょっと、えらく堅苦しい、知ったか振りの感じになって申し訳ございません。
いまか、いまかと栗塚さんの登場を待っておりました。最終場面に現れた氏は、主題の某藩より格の高い藩の家老として威厳溢れる、そして「田舎の禄が低い藩など、すぐにでも潰せる」といった、凄みと威圧の演技力。
この映画の意味するところを最後の最後で、しっかり観る側に、お示しになっておられました。
そして、このシ-ンが終わり、ほんまの最終シ-ンは、脚本家であり監督でもある三上氏の、こうであったらいいのにね!という素の人情への期待ではないかと、私は思うのです。(実際に映画を御覧下されば貴方もそう思われるかと・・・)
明日、栗塚氏にお会い致しますので、この映画について伺えたら続きを書きますね。